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海堂 尊 『ジーン・ワルツ』

ジーン・ワルツ

著者:海堂 尊

ジーン・ワルツ

読んだきっかけ:『ひかりの剣』の清川吾郎が登場すると、知ったので
また、映画かもされるらしいので、予約が殺到するその前に・・・・

感想:一分の隙もない(と、凡人には思える)”完全犯罪(!??)”いや、”確信的反乱”
そして”美しい奇蹟”
ミステリー小説、エンタテイメント小説に不可欠な要素はバッチリ!

章立てのサブタイトルが「○月 (場所)」と、時間が進行し、場面が交錯するのは『ひかりの剣』と同じ、いわば舞台作品の場面立て、のような手法

遺伝子医療に関する問題提起小説は、箒木蓬生氏の作品にもあったように記憶しているけれど
この海堂氏の作品は、政策の問題にまで踏み込んでいる点で、社会派小説ともいえる

「今の医療崩壊は現場から出てきた問題ではなく、構造的に官僚たちの判断ミスが積み重なって誘導された結果でもあるというのに、そうした事態を政策誘導した官僚は、誰も罪に問われない。それどころか、引退後にはさらに無責任で高給の関連団体へと天下っていく。これではまさに盗人に負い銭。」

快哉!!!
これはひとつ医療の世界だけのことではない
「ゆとり教育」が子どもをダメにし、現場を疲弊させることくらい、現場にいる人間には日の目を見るより明らかだった
そのツケは他でもないゆとり教育を受けた子ども達や現場の教育者
が背負わされ、十数年後結果に慌てた官僚はゆとり教育を撤回、三割減じた教育内容をまた戻そうとしている
しかし、その一方「ゆとり教育」を提唱・推進した(”武士道”でいうならば真っ先に詰め腹切るべき)”戦犯”元某国立大学長有馬某や当時の文部省事務次官寺脇某は責任を問われることも職を追われることもなく、悠々自適
国立大学独立法人化然り、年金政策然り、介護保険制度や障がい者自立支援に代表される福祉政策然り、司法改革政策然り・・・・
施行する前から先のナイ、当事者にとってプラス面の少ないものとわかっていて強行
ごく一部、官僚のお膝元、鼻先にある機関だけは優遇され、地方は疲弊する地域格差の拡大

怜悧な美貌の才女曾根崎理恵は”希望”であり、真の医療の”良心”のシンボルとして描かれている
多分、まだまだこの国にはたくさんの”曾根崎理恵”が存在するのだろう
彼ら彼女等が力尽きる前に、すべてを”ヒトサマ任せ”にしているアタシ達が現実を見極めるときなのだろう


そういう”社会正義”が刺激される一方
『出産の奇蹟』の章では
妊娠期に何度も逆子になり、うつ伏せになってお尻を持ち上げる”逆子体操”を繰り返したにも拘らず、分娩前にまた骨盤位になってしまったのか、回旋異常だったのか、しっかりとしたインフォームドコンセントもないままに”緊急帝王切開”になったおネエの出産や、切迫流産で安静を強いられたチビの妊娠のことなどを思い出し
出産当時は母子手帳に書かれていても意味もわからず気にもしなかったアプガール指数を改めて母子手帳を取り出して確認
9点だったおネエと8点に小さくマイナス1と付記してあるチビ、共に”満点”ではなかった娘たちが、今それぞれの命を懸命に輝かせて生きていることに改めて感動
そう・・・・・あの、出産時の不安と感激とを思えばこそ、子育てのたくさんの山を乗り越えてこられたのだ・・・と

昼ご飯の後、買い物のついでに図書館で受け取ってきたこの本
今借りているのはこの一冊だけだし、明日は図書館も休みだし、
ゆっくり読もう、と思っていたのに
うちに来る子たちもいない完Offであることも手伝って
ちょこちょこ雑事に分断されつつも、先が気になって家事はほぼ放擲し読んでしまった
あまりに腰を上げないアタシに業を煮やして、今日の夕飯はツレアイが主導して作ってくれました(アタシはちょっとお手伝いしただけ・・・・)
普通の”堅気の勤め人”とはちょいと変わった生き方をしていることについて「苦労かけるネェ」と彼は言うけれど、なんの!
アタシは好きな本を思う存分読ませてもらえる環境が与えられているのだから、こんな幸せなことはない
本が読めなくなること、これがアタシにとっては一番の”辛いこと”かもしれないな。。。。

今日は存分に読書に没頭できたから、明日からまた午前と午後の勉強会とチビのお弁当作り、ガンバロウ!

おすすめポイント:現場の産科医が読まれたら溜飲下がるんじゃないかしら?
あ〜〜〜、でも、現場の産科医の先生なんて、ゆっくり専門書以外の本読まれたりするお時間なんてないか・・・・・
それが現実。。。。。

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