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篠田 節子 『スターバト・マーテル』

スターバト・マーテル

著者:篠田 節子

スターバト・マーテル  買ったきっかけ:新聞広告を見て

 感想:2編の『再生』をテーマとした短編集

死の翳りに彩られた表題作『スターバト・マーテル』
そして、母として、一家の主として生きてきた女性の再生を描く『エメラルド アイランド』
どちらも、”主人公”ではないけれど、会社という組織に組み込まれ、使い倒され、潰されていく、その最期に一矢報いようと試みる男性が重奏低音のような陰影色濃く描かれる
それぞれの『再生』はどんなカタチに収束していくのか・・・・
最後まで息詰めて読みきる、という感じだった

アタシ的には表題作に惹き込まれた
今クールも、あいも変わらず黒木瞳さんがヒロインを演じる”昔の恋再燃”モノが放映されているようだけれど
多くのアラフォー、アラフィフ世代がお好みであるような”純愛”の粉砂糖をまぶした”不倫”モノではなく

二十代なら、それを恋の始まりと信じて疑わなかっただろう。
三十代の頃なら、自分の内に、なお息づいている青春期のみずみずしい感情に、単純に喜びを覚えただろう。
しかし今、それが夫のつまらない言いがかりと、相手の不在が相まって生じた、単純な気持ちの揺らぎであることを自覚するだけの余裕が、彩子にはある。

そう描き切れるクールさは
少女時代に、同世代の友人たちの幼さに同調できないままに長じ
”他人に本音を見せない””一見人当たりが良くて知的だから、憧れる後輩たちも大勢いたけれど、心底打ち解けることがないから、しばらくするとみんな離れてゆく”と評される人物の心の襞を過不足なく描いてゆく

情愛のシーンの描写も、”いかにも女性”っぽい、嫋々としたメロドラマ風ではなく
どちらかというと男性的に、でも、ドライであっても丁寧に”情”の部分も描き切れているのがすごい


『エメラルド アイランド』の方は
”子どもの為”と自分と子どもの両方を縛り、気がつくとそこから抜けられなくなっている”デキル女”の頑なさがものすごく伝わってくる
いるよね〜、こういう人・・・・・っていう強い共感
結末は、アタシの好きな感じに仕上がっていて、それがこの短篇の一番の評価点だったかな

おすすめポイント:
篠田作品は、裏切られることがない・・・っていうのが、アタシの実感です

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