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吉田 修一 『悪人』

悪人  著者:吉田 修一
悪人  きっかけ:新聞の文庫広告を見て

 感想:殺されて良い人間はいない・・・と思うけれど、殺意を持たれてしまう人間は、やはりいるのだろうな、と思う

 悪人がいる、のではなく
 悪人になる瞬間、というのが、あるのだろうな、と思う

そして、人間にとって何よりも恐ろしいのは
明確な”悪意”よりも
”大切な人もおらん人間が多すぎ”ること
”大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む”こと
”失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる(そう思うことで自尊心を保っている)”こと、なのだろうな、と思う


嘘って、ほとんど”何かを守る”ためにつく
それが自分のちっぽけな(でも、自分にとっては最大の拠り所である)”プライド”であったり”社会的地位・立場”であったり”財産”であったり、そしてまた”愛する人”であったり・・・・・・
ある人にとっての”真実”が、ある人にとっては”嘘”になる
そんな嘘もある
そして、嘘の真意は、真実を捻じ曲げた”嘘の創造主”にしかわかり得ない
人の感情やこころの揺らぎには”物証”はないから
結局は”表現されたもの”で判断されてしまう
と、するならば(裁判員制度が始動し、裁判というものが広く市民に浸透しているけれど)正しく”人が人を裁く”ことなど、可能なんだろうか?
愛するものを守る為につかれた嘘は、暴かれるべきなのだろうか??
真実はなんでも明らかにされるべきなのだろうか??


一人の若い女性の殺人事件とその犯人、そしてその犯人を愛した女性とをめぐる”事件録”に、いくつもの”thinking point”が散りばめられている
そして、切なくて、、、、、


かなり分厚い1冊で、”てこずるだろうな”と思ったのだけれど
前半はどんどん拡散していく”人間関係”が、しかし破綻することなく繋がっていくことに圧倒され、後半はグイグイとテンポに引き込まれて間を置くことなく読了
さすが新聞の連載小説!!
そして、
「小説とは登場人物たちの声を読者に届けることではないだろうか」「デビューして10年、やっとこれが”代表作”といえるものが書けた」との著者のコメント通り、胸に刺し込むものがある
読み始めてから知ったのだけれど
今後この著者の『パレード』と並んでこの作品も映画が公開されるようだけれど、祐一と光代を誰が(ちょっと調べたらもう、公式HPできてましたね。ブッキーと深津絵里さんが演るんですね)どのように演じるのか、ものすごく興味があります

おすすめポイント: 映画を観ようと思っている人は、読んでから観るもよし
結末を知りたくない、と思うならば
映画鑑賞の後にでも、是非原作読まれると良いと思う

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