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三好 徹『チェ・ゲバラ伝』

チェ・ゲバラ伝

著者:三好 徹

チェ・ゲバラ伝

感想:
ナベツネと同期の元新聞記者の著者によるチェ・ゲバラ評伝
随分前に読み始めていたような気がするけれど、途中色んなジャンルに浮気して、チャンポン読みしていたため、やっと読破

映画がこの本を基にしてできたわけでもないのだろうけれど
ゲバラをテーマにした作品はどれも客観的な評伝を基にチェ・ゲバラの人となりを構成したものであるのだろうから
ゲバラに好意を持つものだからこそ、その資料収集にも力が入る、ということを差し引いても
チェ・ゲバラ、という人間が、いかに人格的に魅力のある個人であったか、ということはゆるぎのない事実だろう

『29歳の革命』は一緒に、そして『別れの手紙』は別々に観た妹も言っていたのだけれど
初志貫徹して、貧しい人には正当な生活を、子どもに教育を、病人には適切な施設をという”為政者”としての
基本というべきリベラルな思想(こういう思想を持つものは決して少なくはないけれど)
そして同志を見捨てない人間としての懐の深さ、には
誰しも深い感銘を受けるだろう

死と隣り合わせにいながら、恐れず受け入れられる生死観は、”立場は違うけど、この先老いていく中で見習うべき態度かなぁ、と思った”と妹はいう
この凛とした生死観を、彼を知る人は一様に
「どこまでも澄んだ目」「死線を越えたまなざし」と表現していたけれど
幼い頃から喘息発作と向き合っていたこととも無関係ではないだろう
自分もそうだったからそう思うだけだけど・・・・
喘息発作では死なない
けど、死ぬかと思うくらい辛いし、いっそ死なせてくれ、とも思う
だけど、”自分は人とは違って、喘息持ちだ”ということ、”喘息発作では死なない”こととがっぷりと向き合うには、発作の辛さとたった一人で向き合うこと(その辛さを周囲に垂れ流して、痛みを分かち合ってもらおうとしないこと)、そして、発作のないときには自分の体質に怯えず、言い訳にせずに快活に過ごすこと
そういう日々を繰り返してきたからこその澄み切った強靭さ、凛とした生死観なのだろうな・・・・と思う

”誇りと貪欲”そして”時間に対する感覚の欠如”というラテン・アメリカ気質に組せず、どんな場面、状況に置いても”きわめて真摯で、厳正な規律を保つ態度”だったという、この点一つだけでも、彼は”自らを律する”という、言うは易く行い難きことを体現する稀有な有能の人だった、と思う

ただ、チェ・ゲバラ一人が
「安定した社会的地位や財産・家族ずべてを投げ打って理想社会の実現のためには武装闘争以外にない、と信じた革命身を賭した」「唯一の革命家」のように語られるが
(そして、そのリーダーシップ、カリスマ性を以って、彼が他と一線を画して語られることには異論を差し挟む余地はないが)
ゲバラがキューバ工業相を辞してボリビアに向かった時にキューバでの生命の危険のない生活を投げ打って合流したシエラ・マエストラ以来歴戦の17名のゲリラ戦士がいたこと(彼ら全員が中尉以上の階位を持ち、キューバ政権の中枢にいた)ということを忘れてはならないだろう

おすすめポイント:
註釈や年譜が充実しているし、コンゴでの日々が補筆されている

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